「朝起きたら窓がびしょびしょ」「カーテンの裾や窓枞に黒い点々が……」
冬の賃貸で多いのが、結露とカビの悩みです。気になるのは、
「退去のときにカビの修繕費を請求されないか」という点ではないでしょうか。
この記事では、柏・松戸エリアで賃貸仲介を担当している宅建士が、国土交通省のガイドラインをもとに、結露やカビの費用を誰が負担するのかを整理します。あわせて、今日からできる対策と、カビを見つけたときの対応も紹介します。

執筆:ましろ
宅地建物取引士/TNコーポレーション 賃貸仲介担当(実務4年)/賃貸物件オーナー
柏・松戸エリアでお部屋探しのお手伝いをしています。貸す側と借りる側の両方の立場から、賃貸暮らしで本当に役立つ情報をお届けします。
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結論:放置して広がったカビは自分負担になりやすい

先に結論をまとめます。
- 結露を放置して広がったカビ・シミは、入居者(借主)の負担になりやすいです。
- 一方、窓の断熱性が低いなど、建物の構造が原因のカビは、大家さん(貸主)の負担になりやすいとされています。
- 分かれ目になるのは、「拭き取るなどの手入れをしていたか」と「管理会社や大家さんに連絡していたか」です。
つまり、結露が出ること自体は仕方がありません。問題になるのは「出たものを放置すること」です。
出典:CHINTAI情報局「結露によるカビの退去費用は誰が払う?」
ガイドラインでの線引き

国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では、壁・天井の入居者負担の例として、次のケースが挙げられています。
賃借人が結露を放置したことで拡大したカビ、シミ
(賃貸人に通知もせず、かつ、拭き取るなどの手入れを怠り、壁等を腐食させた場合)
ポイントは、括弧の中の条件です。「大家さんに連絡しなかった」と「拭き取りをしなかった」が重なり、
壁などが傷んだ場合が入居者負担の例とされています。
逆に言えば、日頃から手入れをして、気づいた時点で連絡していれば、自分を守る材料になります。
また、壁クロスの張り替え費用を入居者が負担する場合も、原則は傷んだ部分の面積(㎡単位)です。
ただし、傷んだ箇所を含む壁1面分までは、入居者の負担もやむを得ないとされています。
カビが広がるほど、請求される範囲も広がります。
出典:国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」、法律事務所によるガイドライン解説
カビが出やすい場所と原因

結露は、暖かく湿った室内の空気が、外気で冷えた窓や壁に触れて水滴になる現象です。
その水分が乾かないまま残ると、カビの原因になります。
賃貸で特に注意したい場所は次の4つです。
| 場所 | 起きやすいこと |
|---|---|
| 窓ガラス・サッシ | 水滴が窓縁のゴムパッキンやカーテンに流れ、黒いカビになる |
| 北側の壁・部屋の角 | 日が当たらず壁が冷えやすいため、クロスにシミやカビが出る |
| 家具の裏 | 壁にぴったりつけたタンスやベッドの裏は空気が動かず、気づいたときには広がっている |
| 押入れ・クローゼット | 閉め切りで湿気がこもり、壁や衣類にカビが生える |
室内の湿気を増やす原因には、洗濯物の部屋干し、加湿器の使いすぎ、石油ファンヒーターやガスファンヒーター(燃やすときに水蒸気が出ます)などがあります。
意外と見落としやすいのがキッチンのシンク下収納部分です。
配管回りの湿気や鍋フライパンを濡れたまま収納してしまいカビやシミが発生し
普段よく見ないので発見が遅れやすい場所でもあります。
内見立ち合いでも、長く使用されていなかった物件ではカビが放置されていることが多々あります。
基本はハウスクリーニングをして綺麗な状態になるはずですがそうでない場合もあります。
傷などと同じように、必ず写真に撮っておくこと。
そしてカビの場合はすぐに管理会社に連絡することを徹底してください。
今日からできる対策

対策の基本は、「湿気を減らす」「出た水をすぐ取る」「空気を動かす」の3つです。
- 朝、窓の水滴を拭き取る もっとも効果が大きく、ガイドラインの「手入れ」にも当たる習慣です。雑巾でもいいですが、結露取りワイパーがあると数分で終わります。
- 換気を止めない 24時間換気のスイッチや給気口は、寒くても閉めないようにしましょう。料理や入浴の後は、換気扇を回して湿気を外に出します。
- 部屋干しは除湿機とセットで 洗濯物の水分はそのまま室内の湿気になります。部屋干しが多い家庭は、
除湿機があると結露も洗濯物の乾きも改善します。 - 家具は壁から少し離す タンスやベッドは、壁から数センチ離して空気の通り道をつくります。特に北側の壁は注意しましょう。
- 押入れ・クローゼットは時々開ける 晴れた日に扉を開けて空気を入れ替え、床にはすのこを敷いて、
置き型の除湿剤を入れておきます。 - 窓に結露防止シートを貼る 結露を減らす効果が期待できます。ただし賃貸では2つ注意があります。
- 網入りガラスには対応品を使う:網入りガラスに普通の断熱シートを貼ると、金属の網が熱を持ってガラスが割れる(熱割れ)おそれがあります。ガラスの一部だけに貼るのも、温度差で熱割れの原因になります。貼るときはガラス全面に貼りましょう。
- 剥がせるタイプを選ぶ:水だけで貼れるタイプなど、跡が残りにくいものを選ぶと退去時も安心です。
網入りガラス対応の結露防止シート
最近だと宅配で届いた段ボールなどを宅内に放置する方が多いですが、
放置された段ボールも水気を吸いカビの温床となってしまうので注意が必要です。
カビを見つけたら:すぐにやること

カビを見つけたときに一番避けたいのは、「退去まで黙っておくこと」です。次の順番で対応しましょう。
- 写真を撮る:場所と広がり方が分かるように、日付付きで残します。
- 管理会社か大家さんに連絡する:建物の構造が原因なら、大家さんの負担で直してもらえる可能性があります。連絡したこと自体が、「放置していない」証拠にもなります。電話だけでなく、メールなど記録に残る方法でも伝えておくと安心です。
- 強い薬剤を使う前に相談する:壁クロスに強い薬剤を使うと、色が抜けるなど別の傷みになることがあります。自分で落とす前に、管理会社にやり方を確認しましょう。
シンク下のカビは、水漏れを疑う
シンク下のカビは、給水管や排水管からの少しずつの水漏れが原因のこともあります。配管の継ぎ目が濡れていたり、底板がふやけていたりしたら、すぐに管理会社に連絡しましょう。
民法では、部屋を使うために必要な修繕は、入居者の責任でない限り大家さんが行うことになっています(民法606条1項)。配管の不具合が原因なら、入居者が費用を負担する場面は限られます。ただし、気づいていながら放置して被害が広がると、その分の責任を問われるおそれがあります。
出典:BUSINESS LAWYERS「改正民法での賃貸人の修繕義務」
「連絡すると請求されそうで怖い」と感じるかもしれません。しかし、ガイドラインで入居者負担の例とされているのは、「通知もせず」放置したケースです。早く伝えた方が、結果的に自分を守ることになります。
弊社でもアパートを持っていて、住んで少し経ってから連絡を頂いたとしても
カビの原因が弊社の不手際によるものなのか、借主様によるものなのかの判断がかなり難しくなってしまいます。
なので出来る限り速やかに連絡していただけるとすぐに行動に移せるので助かります。
まとめ

結露が出ること自体は、賃貸ではよくあることです。退去時に入居者の負担になりやすいのは、拭き取りなどの手入れをせず、連絡もせずに放置して、カビやシミを広げてしまった場合です。
毎朝の拭き取りと換気、部屋干しのときの除湿で、多くは防げます。カビを見つけたら、写真を撮って早めに管理会社へ連絡しましょう。
家具の設置跡や床の傷については、賃貸で昇降デスクを置いても大丈夫?床のへこみ・傷と原状回復で
解説しています。
柏・松戸エリアで、結露しにくい物件探しや、住まいのご相談はTNコーポレーションまでお気軽にどうぞ。
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参考資料
- 国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」
- 法律事務所によるガイドライン解説(結露を放置したカビの負担区分)
- 北海道「賃貸住宅のポイント」(修繕が必要なときは放置せず連絡する)
- CHINTAI情報局「結露によるカビの退去費用」(構造が原因の場合の負担)






